おいしくお味噌を食べて、体の中から健康に!

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出版文化が華やぐ田沼時代に、今の日本料理が生まれた

NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢囃~」が歴史好きの間で好評だとか。これまでの武将ものと違って文化的側面が細かく描かれており、なかなか興味深い。初回のシーンでは、吉原の忘八(ぼうはち)達が「百川」(ももかわ)から取り寄せた料理を食べるシーンがあって「いきなり料亭『百川』が出て来るのか!」と当方の胸を踊らせた。ちなみ「百川」とは、江戸中期から明治初期まで日本橋にあった料亭で、その料理は江戸で高く評価されており、安政元年(1854)のペリー来航の折りにはこの店の料理人が横浜へ出向き、米国の使節団をもてなす料理を作っているのだから、そのレベルもわかろう。

百川日本料理

 

浮世絵江戸

ところで“蔦重”こと蔦屋重三郎は今でいうクリエイター的な仕事をした人。「耕書堂」なる本屋を立ち上げ、黄本や狂歌、浮世絵のブームを作ったとされる出版人だ。謎の浮世絵師・東洲斎写楽は彼が仕掛け一大ブームを巻き起こした。蔦重自身は、侍や町人が自由を謳歌した田沼時代に活躍しており、数々の出版物を世に出すだけではなく、かの平賀源内など時の文化人とも交わり、文化文政期前の江戸文化を支えたといわれている。
蔦屋重三郎が生きた時代には数々のベストセラーが世に出ている。「豆腐百珍」なる料理本は今も語り継がれる大ベストセラー。天明2年(1782)に出版され、100種の豆腐料理の調理法が載っていると話題になった。作者は醒狂道人何必醇(せいきょうどうじんかひつじゅん)とされているが、文人が趣味で記したものだろうという事しかわかっていない。「豆腐百珍」はかなり好評だったようで、翌年には続編が_。その流れは明治期まで続いたというから凄い。類似ものとして大根・こんにゃく・鯛・卵などのいわゆる百珍ものまで出版されている。

「豆腐百珍続編」に掲載されている「芝蘭(しらん)豆腐」は、白味噌で調味したもの。練りゴマと長葱、白味噌、酒で作ったたれを掛けて茹でた豆腐と共に味わう一品だ。芝蘭とは、霊芝(れいし)を指し、蘭の花の如く香りがいい料理なのでそう名づけたのであろう。作家で江戸の文化に詳しい車浮代さんによると、練り白ゴマと白味噌を混ぜて葱を加え、酒で延ばして火にかける。それを器に入れて茹でた豆腐を置くだけと簡単らしいので、一度六甲味噌製造所の「芦屋そだち白味噌」でも使って作ってみてはどうだろう。
また車浮代さんは、某雑誌でこんな事も言っている。味噌の三礎(みそ)という言葉があって、これは味礎とは調味料の基本を指し、身礎とは健康を維持する事をいう。美礎は美しさを保ち、老化を予防する。つまり健康長寿には味噌は欠かせないと_。そういえば、味噌は医者いらずとまで言われ、昔の人は味噌汁を食事に必ず供した。今でこそ一汁三菜は粗食の代名詞のように語られるが、実はこの考えが生まれたのは室町期の本膳料理から。この本膳料理の流れが会席料理に発展したのだとしたら、質素な献立と捨ておくわけにはいくまい。味噌汁自体は鎌倉期に生まれた。禅宗の僧が中国より擂り鉢を持ち帰って粒味噌を擂った事による。擂った味噌は水に溶け易くなるので味噌汁なる料理が広まった。ところが鎌倉武士の食事は一汁一菜で華やいだものではない。むしろ味噌汁が庶民の味として認知されるのは江戸時代まで待たねばならない。

一汁三菜

 

豆腐料理と六甲味噌

現在の日本料理の礎は室町期に始まるが、今のような形になったのは、文化が華やぐ江戸期に入ってからだろう。大坂・京の上方が都市としての発展を見る元禄期はまだまだ食の面では完全成立しておらず、江戸の庶民文化が華やぐ文化文政期に日本料理が今の形になったといっても過言ではない。天明~天保までの化政文化時代より少し前にあった蔦屋重三郎の時代(安永~寛政)に出版文化が成立した分、料理本も売り出され、料理も広まるきっかけになって行った。「豆腐百珍」は、そんな時代に出版され、ベストセラーになっている。ちなみに蔦屋重三郎は「豆腐百珍」が世に出た時代に何をしていたか?その前年の天明元年(1781)に大田南畝との交流が始まり、朋誠堂喜三二の「見徳一炊夢」や大田南畝の「菊寿草」を出版している。そして天明3年には自身の書店「耕書堂」を日本橋油通町に構えているのだ。そんな時代に「耕書堂」とは別に「豆腐百珍」が出版されて江戸を賑わしたといえば、「べらぼう」の視聴者には時代の雰囲気が伝わると思う。「豆腐百珍」は中公文庫から現代語訳が出版され、今の書店にも並んでいる。古えの文化人が興味深く集めて執筆した豆腐料理を今の味噌(六甲味噌製造所の「手造のあじ」や「芦屋蔵造」「芦屋そだち」)を使って作ってみるのも面白かろう。過去の知恵と現代の調味料のマッチングである。
(文/フードジャーナリスト・曽我和弘)

<著者プロフィール>
曽我和弘
廣済堂出版、あまから手帖社、TBSブリタニカと出版畑ばかりを歩み、1999年に独立して(有)クリエイターズ・ファクトリーを設立した。食に関する執筆が多く、関西の食文化をリードする存在でもある。編集の他、飲食店プロデュースやフードプランニングも行っており、今や流行している酒粕ブームは、氏が企画した酒粕プロジェクトの影響によるところが大きい。2003年にはJR三宮駅やJR大阪駅構内の駅開発事業にも参画し、関西の駅ナカブームの火付け役的存在にもなっている。現在、大阪樟蔭女子大学でも「フードメディア研究」なる授業を持っている。

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