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身体が温まるボタン鍋_、実は丹波篠山が発祥だって知ってた?!

山深い地を訪れると、決まって旅館などで提供されるのがボタン鍋だ。ある亥年のこと、年初に「今年流行るのは、ボタン鍋だ」との記事を書いた。
私は、別にその年にボタン鍋が流行するなんて毛頭思っていない。12年に一度訪れる亥年なので、「今年書かねばいつ書くの?」と言うくらいの乗りでボタン鍋を取り挙げたのである。それを取材先の宿の人達が読んだらしい。
某雑誌の取材では、宿を替えて何泊かしたのだが、「曽我さんは、ボタン鍋が好物らしい」と踏んだのか、連日ボタン鍋ばかり出て辟易したのを思い出す。

ボタン鍋は、今でこそ山のごちそうとして旅館や料理屋でよく出されるが、実は発祥は兵庫県の丹波篠山である。ボタン鍋は、白と赤の合わせ味噌をベースにしただしに猪肉と野菜を入れて煮る鍋料理として丹波篠山で提供している。猪肉が主素材なので狩猟期間の冬に出す強度料理として名が通っているのだ。
そもそもの始まりは、明治時代に入ってから。多紀郡篠山町に駐屯していた陸軍歩兵第70連隊が訓練時に鉄砲で撃った猪の肉を味噌汁に入れて食べたことがきっかけらしい。捕獲した猪肉を地元の旅館に持ち込んだところ、そこの料理人が味噌仕立ての鍋物にしたのが始まりだと伝えられている。
その旅館がどうやら篠山の街中にある「近又」らしい。以前、「近又」を取材した折りに料理長が「明治41年ごろから将校用の料理として出していた」と話していた。ちなみに「近又」は、現天皇もお泊まりになられたという由緒ある旅館で、創業は慶長年間(江戸時代初期)と古く、篠山城築城と同じ時代に商売を始めている。かつては「近江屋」と名乗っていたが、近江商人だった又兵衛が旅籠を営むことから明治の初めに「近又」と名を替えた。

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猪肉を食した歴史は古く、縄文時代から食べていたようだ。だが、江戸時代は、獣の肉を食べるのを禁じており、地元の人達は、「山くじら」と呼んでこっそり猪肉を食べていたらしい。ボタン鍋が誕生した明治時代には、牡丹と呼ぶようなそんな粋な料理名はつけられていない。当初は「いの鍋」と呼んでいたそう。ボタン鍋の名称の由来は、猪肉を薄切りにし、牡丹の花の如く皿に盛り付けるからである。
農林水産省の資料によると、昭和6年に篠山市商工会の前身団体が、民謡「篠山小唄」の歌詩を募集したら、その歌詩にボタン鍋というフレーズがあったとしている。有名なデカンショ節は、江戸時代に農民間で歌われていた盆踊り唄がルーツ。明治時代に篠山出身の学生が東京の学生に伝えたことで知られるようになったようだ。デカンショ節にも歌われているボタン鍋は、丹波篠山の郷土料理ではあるが、今では全国各地でそれを出しており、伊豆の郷土料理としても知られる。蛇足ながら猪の日本三大猟場は、丹波篠山と天城山(静岡)、郡上八幡(岐阜)である。

ところでボタン鍋は、昆布・鰹のだしに白味噌と赤味噌の合わせを入れてスープを作り、そこに猪肉と共に、白菜や根菜、キノコ類、芋、コンニャク、豆腐などを入れて煮る。地域によっては、醤油で作る所もあるらしいが、私はまだその手の味付けのものに出合っていない。東京風は、割下に砂糖を入れて八丁味噌で作り、卵に漬けて食べるとも聞くが、まるでそれではすき焼き風ではないかと思ってしまう。やはり、ポピュラーなのは、白と赤の合わせ味噌だろう。ボタン鍋は、味噌鍋で、猪肉を用いるので身体が温まる。前「御所坊」総料理長の河上和成さんは、猪肉を全て牡丹のように並べるのではなく、そのいくつかを予め鍋に入れてスープとして煮込んで作るそうだ。「その方が猪肉の味がスープに溶け込んで美味しく仕上がる」と言う。私も試してみたが、理に適っている。しかも猪肉は、煮込んでも硬くならない利点もある。
そう言えば、六甲味噌製造所では昨秋、白と赤のいいとこ取りをした「合わせ味噌」が発売されている。それを使うのが便利かもしれない。
(文/フードジャーナリスト・曽我和弘)

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(2024/2/15)

<著者プロフィール>
曽我和弘
廣済堂出版、あまから手帖社、TBSブリタニカと出版畑ばかりを歩み、1999年に独立して(有)クリエイターズ・ファクトリーを設立した。食に関する執筆が多く、関西の食文化をリードする存在でもある。編集の他、飲食店プロデュースやフードプランニングも行っており、今や流行している酒粕ブームは、氏が企画した酒粕プロジェクトの影響によるところが大きい。2003年にはJR三宮駅やJR大阪駅構内の駅開発事業にも参画し、関西の駅ナカブームの火付け役的存在にもなっている。現在、大阪樟蔭女子大学でも「フードメディア研究」なる授業を持っている。

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